カーボンナノチューブ(CNT)は、ナノサイズ(1nm=1mmの1/1,000,000)レベルの極小チューブ状炭素(カーボン)繊維です。

炭素は金属系材料に比べとても軽量ですが、金属以上の導電性や熱伝導性、柔軟性を併せ持っているため、CNTはあらゆる分野での産業応用が期待され開発が進められてきました。
しかしナノサイズの物質は分子同士の引き合う力が極めて強く、さらに極細繊維状のため絡まりやすく、繭玉のように強く凝集してしまう性質があります。CNTの優れた性質を引き出すためにはこれを単離分散する必要がありますが、そこには高難度の技術的なハードルがあります。
当社は凝集したCNTをほぐす独自技術の開発に成功、CNTの優れた特長と独自の分散技術を駆使し、多くの製品化に成功しており、様々な製品を国内外へ送り出しています。

用途のご紹介

塗料関連

防錆、耐衝撃、耐摩耗などで、樹脂系塗膜では世界最高レベルの塗膜性能を達成。既に世界的に特許が成立しており、CNT関連製品では唯一JIS(日本産業規格)化された塗膜です。国内外の沿岸、海上など過酷な環境にある石油・ガスなどの化学プラントや発電インフラ、特殊車両、船舶、海洋観測機器などへの表面処理材として採用が進んでおり、それらの構造物の寿命を飛躍的に延ばすことで、画期的な省エネルギー・省資源に貢献しています。

燃料電池関連

当社CNTの独自構造を活かし、燃料電池の性能向上のために研究開発を行っています。
燃料電池のコスト要因「触媒貴金属量」の低減、発電性能に直結する「触媒耐久性」の向上を目指して、当社独自のCNT構造を活かし、次世代エネルギーの中心技術の一つである燃料電池の市場拡大に貢献します。

複合材料関連

炭素繊維強化樹脂(CFRP)の機械的性能を向上させます。
当社独自技術によりCNTをCFRP内へ良好に分散させ、従来材比約30%の機械的性能向上を達成。これは独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同開発によって実現した特許技術です。
この複合材料は、自転車、ゴルフクラブ、テニスラケット、釣竿などのスポーツ分野を中心に採用が進んでいます。また、スピーカー振動板の添加材として用いることで音速と減衰率という相反する性能を同時に高める事に成功、自動車、テレビ、部屋置きスピーカーなどに採用されています。
今後はさらなる高強度、高弾性複合体の開発により、部材の軽・薄・短・小を実現する事で、環境負荷を低減し、エネルギー分野、高速輸送インフラへの貢献を目指します。

リチウムイオン二次電池向け導電補助剤

当社CSCNTの導電性と独自の結晶構造を活かし、リチウムイオン二次電池(LIB)への導電補助剤として適用が可能となります。最近では、CSCNT添加により次世代の純シリコン負極LIBの開発に成功しています。既に正極向け研究開発を行っており、革新的な性能を有する新世代のLIB実現に貢献します。

 

[お問い合わせ] ナノテクノロジー開発室 メール:nano@gsi.co.jp  TEL:044-322-5595

受託事業のご紹介

受託加工

各種混錬装置により、ご要望に合わせた配合、かつ少量~数十キロ単位の限られた材料で、高分散体の受託加工を行います。

①分散液

 ・数100g~数㎏単位という小ロットで、各種溶媒への分散液の試作を承ります。 溶媒種についてはご相談ください。

②熱可塑性樹脂コンパウンド、マスターバッチ

 ・1㎏程度~数10kg単位の小ロットで、多品種、多条件での試作を承ります。 樹脂種についてはご相談ください。

 ・CNTのように嵩高い微粉体の微量添加が可能です。

 ・ご要望に合わせて、試験片の製造、及び評価が可能です。

 ・装置仕様(スクリュー呼径φ:18㎜、L/D:50、回転数上限:1500rpm、温度上限:450℃、スクリュー駆動許容動力:15kW)

③熱硬化性樹脂マスターバッチ

 ・数100g~数十kg単位の小ロットで、熱硬化性樹脂分散体の試作を承ります。

受託評価

万能試験機や各種評価装置により、強度、弾性率など代表的な機械的物性評価、導電性などの電気的特性評価を承ります。

ご要望に応じて評価報告書を作成し、研究開発を支援します。

受託分析

最新鋭の各種顕微鏡群を用いて、ナノ、ミクロンからミリスケールまで微細に観察、分析し、対象材料の表面、断面構造の微細観察や元素分析を承ります。

 

下記よりご相談ください。

[お問い合わせ] ナノテクノロジー開発室 メール:nano@gsi.co.jp  TEL 044-322-5595 

有機エレクトロニクス向け高分子について

有機エレクトロニクス向け高分子材料を販売しております。以下のカタログをご覧ください。